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話題のAIアート専用美術館 「艾厰人工智能芸術中心」

更新日:2022年3月8日



100万通りの色、模様をランダムに展示する大悲宇宙の『虚拟蝴蝶』

 昨年も新しくオープンした美術館をいくつか紹介しましたが、美術館やアート施設のオープンラッシュはまだまだ続いているようです。


今回ご紹介するのは、2021年秋にオープンした「艾厰人工智能芸術中心(AIアートセンター)」。ずっと気になっていたのですが、地下鉄の最寄駅がまだない莘庄工業区に位置するため、なかなか行く機会がありませんでした。2022年2月現在も周辺には商業施設や飲食店、コンビニさえなく、「行くぞ!」と気合いを入れないとなかなか行く気になれないエリアにあります。


 が、到着してみると朽ち果てた工場のような外観に釘付けになってしまいました。古い工場や廃墟が好きな人にとってはたまらないかもしれません。この建物は、90年代まで莘庄工業区の各工場にエネルギー供給をしていたものだそう。巨大な煙突やレンガ造りの炉のようなものがそのまま残っています。こういう感じの建物は、最近「工業遺産」として上海市では保護する方向で動いているようです。


 

 そして、それ自体がアートのように感じるのが、古めかしい外観とは真逆の最新デジタルアートの数々。今年4月11日まで開催中のオープニング企画展『沙之書』では、ソフィア・クレスポ、ジェイク・エルウィス、大悲宇宙など、国内外のアーティストによるAIを使ったアート作品が展示されています。


たとえば、何万通りもの蝶の羽の柄をモニターに映し出す作品は、AIがそのときに選んだ色や配置で表示するため、見学に来た人が全員違った作品を鑑賞することになります。見学者のスマホと連動する作品なども。

 

 難解な作品が多く、アートやAIに興味がないとなかなか楽しめないかもしれませんが、「計算してランダムに見せている」ということや、「AIの頭の中をアーティストが説明してくれている」といった目線で見るとわかりやすいかもしれません。今後も定期的にチェックしたい美術館の一つです。

 

Data 艾厰人工智能芸術中心 上海市閔行区春西路800号 https://www.manamana.net/subjectDetail/310/member#!en
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