フィルムカメラ売り場が増加「星光撮影器材城」

中国には「流行語大賞」のような公式の賞はないのですが、個人的にこの1年間上海でよく耳にした言葉は「儀式感」です。さまざまな意味が含まれている言葉なのですが、私は「丁寧なルーティーン」だと理解しています。上海人の友人に「儀式感」について聞くと、「サブスクではなくレコードで音楽を聴くこと」「日本料理店に行ったら日本酒を頼むこと」「寒い日だったら、友達に風邪ひかないようにと声をかけること」「クリスマスや誕生日などに忘れずプレゼントを贈り合うこと」などの答えが。うまく説明できませんが、そういう行動をしたあとに感じられる達成感を指すようです。
そんな「儀式感」を感じられるアイテムの一つとして、若い世代の注目を集めているのがフィルムカメラです。ということで、久々に「星光撮影器材城」に行ってみました。雑居ビル型の市場が激減中の上海でも、20年近く根強い人気を得ているカメラ市場です。もともと海鴎など、レトロなメーカーのカメラを多く扱っていましたが、行ってみると確かに若い人が気軽に使えるフィルムカメラの売り場が増えていました。
特に人気があるのがコダックの「EKTAR H35」。レトロなデザインが魅力らしく、ファッションとして持ち歩いている人もいるほど。カラフルでチープなデザインがかわいいと話題の「M35」や、使い捨てカメラも人気。日常でも、おしゃれなカフェのスイーツを、スマホではなく使い捨てカメラで撮影している女子をよく見かけます。
2000年代までは土産物店で売られていた気が。一部で人気が盛 使い捨てカメラも人気 フィルムの価格は上昇中。日本で買った方が安いのかも 同じ「星光撮影器材城」内ではドローンカメラも人気。新旧が混在
フィルムカメラはスマホと違って撮れる枚数に制限があるため、撮る対象を吟味しなければなりません。また、撮り終わったら現像に出すというひと手間も。この一連のルーティーンが、「儀式感」を感じるようです。ちなみに、大手EC「淘宝」を検索すると、送料込みの現像サービスを行う店舗が複数見つかります。同時にデジタル画像にしてくれるサービスもあり、フィルムで撮った感のある写真をSNSにアップするのも定番になっているようです。
が、フィルムカメラ世代(70〜80后世代)が驚くのはフィルム自体の値段。日本人的には円安のせいもあり、「最安でも一本1000円か……」とため息が出てしまいます。でも、同時に気になったのが期限切れフィルムが脚光を浴びていること。フィルムは箱に使用期限が印字されていますが、この期限が何年も過ぎたものを敢えて使うことで独特な世界観が表現できるのだそう。ということは、日本の実家のどこかに眠っている古い未使用フィルムが「閑魚」(中国のフリマアプリ)で高く売れたりするのかも? 年末の大掃除の合間に古い未使用フィルムを見つけたら、捨てない方がいいかもしれません。
星光撮影器材城 上海市魯班路300号 9:00-19:00













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