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定番アプリのシニア版が続々ローンチ「長輩模式」

 日本では意外に知られていませんが、中国人の定年は一般職の女性が50歳、女性幹部職が55歳、男性は60歳です。年金の支給もこの年齢からで、職種によって月4000〜12000元(日本円で7万円〜23万円)ほどが相場だそう。しかも近所の年金受給者に聞くと、なんと年々額が上がっていると言います。さらに、「働いていたときよりも収入がいい」という人もめずらしくありません。



 そんな、若くて元気でお金にも余裕がある中国のシニアたちは、スマホやパソコンなどデジタル機器に強い人が多いのも特徴。ECやSNSを使いこなしている人がたくさんいます。ですが、加齢とともに画面が見難くなったり、複雑な手続きなどが面倒になる人も増加中。そんななか、2021年以降有名アプリが「シニアマーケット」をいち早く獲得しようと、続々と「長輩模式(シニア版)」をリリースしています。



 その代表格は、生活に欠かせない食と買い物をカバーする「餓了么」と「美団」。飲食店のデリバリーだけでなく、さまざまな買い物を頼めるアプリです。「外売」というジャンルで括られるこれらのアプリのユーザーは約5億人と言われ、2020年のコロナ以降はシニア層の利用が125%増加。以来、シニア版アプリのリリースが待たれてきました。


 「餓了么」を例にすると、シニア版は「食事のデリバリー」「野菜市場の買い物」「スーパーの買い物」「薬局での買い物」の4つのボタンに絞られています。文字も大きく、デザインもシンプル。「食事のデリバリー」を開いてみると、通常版では洋食や東南アジア料理が上位で出てくるのに対し、高齢者寄りの地元料理がメインになっていました。通話で質問やオーダーができるのも親切です。



 「餓了么」はコロナ以降、2020年3月というスピーディーさで保温ロッカーを設置したのも話題になりました。非接触で配達でき、取り違えや盗難の心配もなく、料理の保温もできるデリバリーロッカーです。必要と感じたらオンライン、オフライン同時に素早い新サービスを始めることが、競争の激しい中国のアプリ業界で生き残る道なのかもしれません。

 

Data 餓了么 https://www.ele.me


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