早春楽事集 今いちばん話題のフリマイベント
普段現地の人と話していて、よく出てきた言葉のなかから2021年の流行語を決めるとしたら、「小衆」かもしれません。この言葉は「大衆」の対義語で、知られていないもの、ノーブランド、一点ものの手作り、感度の高い人だけが知っているもの、というような意味。数年前からあった言葉だと思いますが、今年は特にポジティブな意味でよく耳にしました。
そんな「小衆」ブームを支えているのが、テーマ性のあるフリマです。ヴィンテージ、本、手作りなどのほか、最近では「昭和フリマ(昭和っぽいレトロなもの限定)」なども登場し、カオスなことになり始めています。
そんななか、頭一つ抜けた人気を維持しているのが今回ご紹介する「早春楽事集」。天然酵母の手作りパン、自家農場の無農薬野菜、自家焙煎コーヒー、自家醸造の紹興酒など、スローフードをメインにしたフリマで、コンセプトは「都市の中の村」とのこと。参加者は中国各地から選ばれた「小衆」なメーカーで(毎回30〜40ブース)、ちょっとした物産展感も味わえます。当日現地での買い物を楽しめるだけでなく、各作り手の微店などをフォローすれば気軽にお取り寄せも楽しめる仕組みになっています。
この秋、「長寧来福士」の屋外スペースにある史跡「聖瑪利亜女中原址」で開催された第14回目のイベントでは、ゴザに座ってお酒を試飲できるスペース、アルパカと触れ合えるコーナーなどもあり、丸一日楽しめました。しかも今回誘ってくれたのが南京在住の友人で、毎回このフリマのために上海にやってくるのだとか。地方にも影響を与えるフリマって、そうないと思います。
この「早春楽事集」は、立秋、小雪、冬至など「二十四節気」に沿ったペースで開催され、販売する食品や雑貨も季節に沿ったものになっています。都会で気軽に季節を感じることができ、安全な食材を入手できるとあって、在住日本人にも人気が出始めているようです。
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