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杭州カルチャーの発信地「天目里」


 上海周辺で、ここ数年の間に特に大きく変化している街といえば杭州です。今年9月に開催されるアジア競技大会に合わせて街はどんどん進化中。行くたびに新しい地下鉄の路線が開通しており、現地に住む友人は「年々家賃が上がっている」と嘆いています。が、外側だけでなく文化面も進化しているのが杭州らしいところ。名門大学が多く、才能ある人材が豊富なのでしょう。ITやアパレル大手が本社を置く理由もそこにあるような気がします。

 

建築面積は23万平米

 そんな杭州に住む若いクリエイターたちが集まっている場所といえば、2020年にオープンした複合施設「天目里」です。建築家、レンゾ・ピアノによる中国初のプロジェクトで、屋外部分をリチャード・ロング、枡野俊明などが手がけていることなどから、着工時より世界的に注目されていた場所です。公園のような緑地を含む敷地内には16棟の建物が点在しており、杭州を代表するアパレルブランド『JNBY』などがオフィスを構えています。



 『蔦屋書店』は上海よりも先にオープン。『柴米多』『FINE』など、中国発のこだわりレストランも多く、美術館やホテルも入っているので、滞在しながら一日楽しめる場所でもあります。セレクトショップには、メゾンマルジェラやFREITAGなど、有名なだけではないこだわりを感じるブランドが。また、おしゃれな人の家に行くと必ずあるFLOS(イタリアの照明器具ブランド)の店舗など、上海にもあまりないショップが揃っているところも注目ポイントです。



 場所が杭州市街地からやや遠く、交通も不便なため、オープン当初はただの箱物になってしまうのではないかと思いました。が、今年改めて訪れてみた感じでは、以前より賑わっていて、テナントもより個性的なブランドが充実しているような気がしました。しかも、集まっている人がみんなおしゃれ。チェーン店や人気店よりも、知っている人は利用する質の良いテナントでの集客が成功しているように感じました。



 杭州は今、龍井茶の新茶の季節。ここ「天目里」から車で20分ほどのところにある茶葉の産地「梅家塢」にもあわせて出かけてみましたが、曲がりくねった山道が渋滞するほどの混雑でした。今後日本からの旅行ビザが解禁されれば、アジア大会などの観戦ツアーなどを含む杭州旅行は注目されるはず。行く前に、杭州の進化ぶりは調べておいたほうがいいかもしれません。

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