2022年10月27日2 分

“假装在”の定番スポット韓国街「虹泉路」

エリアの中心にある「井亭天地」。夕方以降、この裏手が屋台街になる。

 コロナ以降、SNSでよく見かけるようになったワードといえば「假装在(いるつもり)」。海外旅行へ気軽に行けなくなったため、国内で海外気分を味わえる場所へ行き、そこで撮った写真をアップしたときにこのハッシュタグをつけるようです。たとえば、上海市内であればLAみたいな写真が撮れるダイナー「Chili’s」、東欧みたいな風景が撮れるカトリック教会「息焉堂」など。スーツ姿の日本人駐在員が集う古北の居酒屋もその一つだったりします。

そんななか、上海市内でもっとも定番になっているのが虹泉路。韓国人駐在員とその家族が多く住むエリアです。ひと昔前は「龍柏」と呼ばれる一帯に韓国系のお店が点在しているイメージでしたが、現在は虹泉路に集約されている感じ。韓国系モール「井亭天地」と、飲食店が多数入る雑居モール「天楽広場」周辺が特に賑やかで、夜は明洞をイメージした屋台街が人気を得ています。

 若い女子に人気の東京の韓国街との違いは、近隣の駐在員向けマンションに住む韓国人のファミリー層をターゲットにしている点。ファンシーな女子向け韓国料理ではなく、どちらかというとビジネスマン同士や家族向けのお店が主流です。最近の流行りはチーズタッカルビやロゼトッポギではなく、上海ではナッコプセやナクチジョンゴル(生きたタコの料理)。飲食店の客層は、女子グループではなく韓国人のおじさんがけっこうな割合を占めていたりします。

その雰囲気が、「本当に韓国みたい」と上海の若い女子には人気なのだそう。確かに、実際に韓国に行くと、韓国ドラマに出てくるような美男美女ではなく、おじさんたちのほうが飲食店やカフェのテーブルを埋めていたりしますよね……。

通り沿いには韓国系スーパーやお惣菜店などもあり、日本人の主婦グループにもよく遭遇します。コスメショップやネイルサロンなども韓国系は割安。また、今年は中韓国交正常化30周年なのだそう。その関連イベントなどが開催されていたりと、今年いっぱい虹泉路は話題を集めそうです。

 

井亭天地
 
上海市閔行区虹泉路1078号
 
10:00-22:00

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